■吉原マンション景観訴訟
------------------------------------------------------------------------
2007年9月、マンション近隣住民は、那覇地方裁判所に建築確認処分差止訴訟を提起しました。主な争点は、建築確認にあたり、景観条例・景観計画(石垣市での名称は「風景づくり条例」「風景計画」(http://ishigaki-keikan.net/law.html)を参照すべきかどうかということです。こうして、全国でも初めての景観条例・景観計画に基づく建築確認差止訴訟が始まりました。
私たちは、この訴訟を「吉原マンション景観訴訟」と呼び、広く住民の生活に影響をおよぼす事案として、多くの方に考えていただきたいと思っています。
(訴訟に至る経過については、「吉原マンション問題」をご覧ください。
http://ishigaki-keikan.net/problem.html)
■訴訟の提起(http://www.y-mainichi.co.jp/news/9320/)
2007年9月13日、マンション近隣住民2人(吉原自治公民館長、隣地住民)は、沖縄県に対し建築確認処分差止を求めて、那覇地方裁判所に訴訟を提起しました。マンション建設の前提となる建築確認をさせないことにより、それを止めようとするものです。
提訴の理由は、マンション建設計画が石垣市風景計画・風景づくり条例、
(http://www.city.ishigaki.okinawa.jp/140000/140100/Keikaku0414/keikakujoureigaiyou.html)石垣市自然環境保全条例等に違反する上、建築主は建築確認が行われ次第工事に着手すると見込まれることです。
→訴状の概要(http://ishigaki-keikan.net/sojou.html)
■第1回口頭弁論(http://www.y-mainichi.co.jp/news/9698/)
10月23日、那覇地方裁判所民事第2部で第1回口頭弁論が開かれました。
被告沖縄県は、訴えの却下または棄却を求めました。
原告は、意見書を陳述しました。
第1回口頭弁論の要点
1 被告沖縄県は答弁書で、建築確認がされても着工が可能となるだけで、直ちに原告が損害をこうむることはない、として訴えの却下を求めた。また、風景づくり条例等は政令で定められた「建築基準関係規定」に含まれず建築確認にあたり考慮されない、として訴えの棄却を求めた。
2 原告の一人川上博久さん(吉原自治公民館長)は、意見書を陳述した。
3 裁判長は、建築確認に当たり風景条例を斟酌するかということに焦点を絞る方向を示唆した。
4 裁判長から沖縄県に対し、7月9日に建築確認の延期通知をして4ヶ月ほど経っているが現在の手続はどうなっているかと質問があり、県側は、事業主から追加の資料が提出されれば、10日間前後で判断することになると答えた。
→被告答弁書の概要(http://ishigaki-keikan.net/toubensho.html)
→原告川上博久さん(吉原自治公民館長)の意見書(http://ishigaki-keikan.net/ikensho.html)
■石垣市長に対し証人の要請(http://www.y-mainichi.co.jp/news/9970/)
11月28日、原告と原告代理人井口博弁護士は、大浜長照石垣市長に対し、証人として証言することを要請し、承諾されました。
■第2回口頭弁論
12月11日、第2回口頭弁論が開かれました。
原告は準備書面を提出しました。また、大浜長照石垣市長を証人として申請しました。
第2回口頭弁論の要点
1 原告は準備書面(1)で、今後石垣市風景計画・風景づくり条例違反、石垣市自然環境保全条例違反を中心の争点として主張するとした。また、風景計画・風景づくり条例等は建築確認の関連法規であると主張した。
2 裁判長は被告に、全国的に報道されるような状況であるので、建築主が本当に「やる気」(「計画を続ける意志」)があるのか、を確認することを求めた。
3 裁判長は、建築主の「やる気」(「計画を続ける意志」)がないのなら、行政訴訟として馴染むものかどうかと感じる、と述べ、
原告代理人は、建築主は建築確認がされれば、すぐに着工すると言っているので、建築確認申請の取り下げがされない以上、裁判を続けざるをえない、と述べた。
4 原告は、大浜長照石垣市長を原告側証人として申請した。
→原告準備書面(1)の概要(http://ishigaki-keikan.net/junbishomen_gen1.html)
■第3回口頭弁論
2008年1月29日、第3回口頭弁論が開かれました。
被告は準備書面(1)を提出しました。原告は、建築主が計画実行の意思を示したことの報告書を提出しました。
裁判長は、次回は実質審理を行うと述べました。
第3回口頭弁論の要点
1 被告は準備書面(1)で、
被告代理人が建築主から事情聴取した結果、1)建築主は設計士を解任し、ほかの設計士を探している、2)金融機関の融資が中止され、建築主は新たな融資元を探している、3)建築主は、建築確認申請は取り下げをしない
ことを確認したとし、1)などから差止請求が必要な差し迫った状況にはなく、2)から仮に建築確認がなされたとしても、原告らに重大な損害は生じないと主張した。
建築基準確認制度について、平成10年建築基準法改正で建築確認対象法令は「建築規準関係規定」として政令で定められることになり、原告の主張する石垣市風景計画・風景づくり条例違反、石垣市自然環境保全条例はこれに含まれず建築確認の審査対象とはならない、と主張した。また、判例は民法等は建築確認の対象とはならないとしている、と主張した。
2 原告は「報告書」(書証 甲第14号証)を提出し、原告Aと建築主との会話で、「建築主は何があっても建設する」との意志を示したと述べた。
3 裁判長は、建築主が計画を続ける意志であることを確認したので、行政訴訟の要件を満たしていると判断し、次回は実質審理を行うと述べた。
4 原告は、1)建築主は設計士を別に雇うことができる、2)資金は融資でなく提供者がいるとの話があることから、追加説明書はいつでも提出することが可能であると主張し、引き続き事実を確認することを求めた。
→被告準備書面(1)の概要(http://ishigaki-keikan.net/junbishomen_hi_1.html)
→原告報告書(甲第14号証)の概要(http://ishigaki-keikan.net/houkokusho.html)
■第4回口頭弁論
2008年4月1日、午後1時10分より那覇地方裁判所で第4回口頭弁論が開かれました。
裁判長は、今後の裁判の進め方について、しばらく期間をおいて事業主が建築確認の追加申請をするかどうか様子を見る、と述べました。
第4回口頭弁論の要点
1 今回から原告が4名追加されたことで、原告は訴状を提出し、被告は答弁書を提出した。裁判は当初原告2名の訴訟と、追加原告4名の訴訟を同時に進める併合審議となった。
2 被告沖縄県は答弁書で、建築確認がされても着工が可能となるだけで、直ちに原告が損害をこうむることはない、として訴えの却下を求めた。また、風景づくり条例等は政令で定められた「建築基準関係規定」に含まれず建築確認にあたり考慮されない、として訴えの棄却を求めた。
3 裁判長は、第3回口頭弁論で事業主が計画を続ける意思であることが確認されていることを踏まえ、今後の裁判の進め方について原告と被告に意見を求めた。原告は、事業主から追加申請がされるかどうか様子を見たい、と主張した。被告が承認したので、裁判長は実質審理を先送りすると述べた。
■第5回口頭弁論
2008年6月17日午後2時30分より、那覇地方裁判所で第5回口頭弁論が開かれました。
次回は7階建てマンションの建設計画地を確認するために吉原で進行協議を行い、那覇地方裁判所石垣支所で建築主の証人尋問を行うことが決定されました。
一審での現地進行協議は異例のことであり、本件訴訟で原告が主張している、「建築確認にあたり『石垣市風景計画および風景づくり条例』を勘案する必要がある」かどうかを判断する上で重要な情報を提供すると思われる。また今後、景観を守る計画と条例を制定した石垣市の大浜長照市長の証人尋問にも繋がることが期待される。
|